インフルエンザの予防接種は受けられましたか?
予防接種後には必ず「激しい運動や過度の飲酒はやめて下さい」と言われますが、なぜなのでしょうか?
今回はインフルエンザの予防接種後の運動・飲酒の禁止の理由をご説明します。
理由が分かればきちんと守れますよね。
インフルエンザ予防接種後の運動や飲酒がダメな理由
激しい運動や過度な飲酒というものは体調不良に陥りやすく、息苦しいとか動悸が激しい、嘔吐や意識を失うといった症状が出ることもあります。
その場合、運動・飲酒によるものなのか、予防接種による重篤な副反応(副作用)なのかの区別がつきにくくなるため、運動・飲酒を控えるよう言われるというわけです。
副反応の中には対応が遅れると命を落とす危険があるものも含まれます。
激しい運動とはマラソンや400mを全力疾走などが想定されているようですが、普段の運動量にもよりますので、動悸が激しくなったり気分が悪くなったりする程度の運動と捉えた方がいいでしょう。
過度な飲酒も同様、普段お酒を飲まない(飲めない)人が、缶ビール1本飲めば過度な飲酒となるかもしれません。
これらの副反応の多くは接種後24時間以内に現れることが多いので、24時間後になんの副反応も現れていなければ運動も飲酒もOKとなります。
インフルエンザ予防接種後の副作用とは
インフルエンザの予防接種を受けた後には、副反応(副作用)と呼ばれる症状が起こることがあります。
インフルエンザの副反応は一般的に軽いものです。
例えば、接種部分が赤くなったり、腫れる、硬くなる、熱を持つ、痛くなることがあります。これらは通常2〜3日でおさまります。
また発熱や悪寒、頭痛、嘔吐、下痢、倦怠感、失神、めまい、リンパ節が腫れるなどの症状が起こることもあります。これも通常は2〜3日でおさまります。
さらに、非常にまれな副反応としてアナフィラキシー症状と呼ばれる非常に強いアレルギー反応がでる場合もあり、のどの腫れによって気道がつまる、血圧が低下するなどによって短時間で命に関わる危険な状態に陥ることもあります。
その他の非常にまれに起こる副反応としては、中枢神経に炎症が起き呼吸困難に陥る可能性のある急性散在性脳脊髄炎やアレルギー疾患で手足がしびれるなどの症状が出るギランバレー症候群、肝機能障害、黄疸、ぜん息発作などがあります。
インフルエンザ予防接種後のお風呂はOKになりました
近年はお風呂は接種後1時間以上経っていれば良いとなりました。
昔は「お風呂には入らないで下さい」と言われていたような気がしますが、これは各家庭に風呂がなく、銭湯などに行っていた時代の名残で、衛生上の問題で接種部位から細菌が入ることを抑制するためだったそうです。
ただし接種部位をごしごし洗ったりするのはやめましょう。
もちろん、軽い副反応が出ている場合は控えてください。
ちなみに、昔は「注射したところを良く揉んでください」と言われていたものが、今は「揉まないで下さい」か「軽く揉む程度にして下さい」に変わりました。
昔は良いとされていたものが実はやってはいけないことだったとか、その逆であったり、医療の世界も日々発見や進歩などで変わっていきます。常に新しい、正しい情報を手に入れたいものですね。