名前の通り秋が旬の秋刀魚(さんま)。最近では冷凍保存されたものが1年中出回っていますが、やはり秋になると特に食べたくなりますよね。
そこで、美味しい秋刀魚の見分け方や栄養、なぜ大根おろしが添えられているのか、美味しく上手に焼くコツと意外な生態までご紹介します。
美味しい秋刀魚の鮮度の見分け方 ポイントは黄色
秋刀魚は口の先や尾が黄色いものが新鮮です。
秋刀魚は生きている時は口の先や尾がが黄色く、死ぬと徐々に色が抜けていくため黄色い方が新鮮ということなのです。
身が丸々と太っていて、背中が盛り上がり、青黒く光っているもの。
目が澄んでいるもの。
お腹が硬く弾力のあるもの(魚は内蔵から悪くなるため)。
日本で獲れる秋刀魚は北大西洋を群れで移動しています。
南の黒潮付近で生まれて春はエサを求めて北上、夏に北海道の北のオホーツク海に到着します。
冬に向けて冷たい海水の中で脂肪を蓄え秋ごろから親潮に乗って産卵のため南下します。
秋刀魚は南下に連れて体力を消耗して、蓄えた脂肪も減っていくため、北の方で獲れた秋刀魚の方が脂がのって美味しいというわけです。
秋刀魚に大根おろしはただの添え物じゃないんです
秋刀魚は美味しいだけではなく、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸がたくさん含まれています。
不飽和脂肪酸は常温で固まりにくい性質のため、血中の中性脂肪やコレステロール値を調整する働きがあるといわれています。
血液をサラサラにしてくれるんですね。
ただこの不飽和脂肪酸は非常に酸化しやすい性質もあります。
それを防いでくれるのが、カロテンやビタミンE・C。
秋刀魚の横に必ずといっていいほど添えられている大根やレモン・すだちはビタミンCを含んでいます。ただの添え物ではなかったのですね。
秋刀魚はこの他にもたんぱく質、鉄や銅などのミネラル、ビタミンB群・Dも豊富で栄養バランスのいい魚なのです。
秋刀魚を美味しく焼くには包丁と塩と余熱
表になる側の身の中央に「×」や「/」の様に切り込みを何本か入れると、
火の通りが均一になって、皮もぼろぼろにならずにきれいに焼き上がります。
また、焼く前に軽く塩を振ると身が締まって弾力のある食感に。
塩を振って15〜20分ほど置くと旨味が増します。
グリルに水を入れ、火を付けて予熱をします。
水を入れ過ぎると水蒸気で秋刀魚がべたべたになってしまうのでほどほどに。
さらに網に酢か油を塗ると皮がくっつきにくくなりますよ。
表になる側を下にして強めの中火で4〜5分、焼き色がしっかりついたら
裏返して6〜7分焼き、目が真っ白になったら焼き上がりです。
秋刀魚は身がくずれやすいので、何度もひっくり返さないようにしましょう。
実は秋刀魚には胃が無いって知ってましたか?
おまけに腸も極端に短く消化が早いため、体内に排泄物が溜まらないので、
はらわたまで美味しく食べる事が出来るんです。
まとめ
秋刀魚はとてもデリケートで養殖が難しい魚だそうです。
しかし安価で供給量も安定しているので養殖の必要もないんだとか。
なので、市場に出回っている秋刀魚は100%天然物なんですよ。
養殖の魚が当たり前になっている近頃では意外な事実ですね。